項目を増やす前に、用途を決める

厚生労働省の資料は、職業能力評価基準を自社向けに組み替える方法として、職務や能力ユニットの削除・追加・組換え、段階の調整を示しています。また、利用の目的を明らかにし、職場の意見を取り入れる手順を紹介しています。

育成の相談に使うのか、習得した仕事を確認するのか。用途が違えば必要な細かさも変わります。人事上の正式な評価に使う場合は、その制度の担当者と別途整え、練習用の一覧が説明なく処遇の判断に変わらないようにします。

一つの項目を、仕事と照らす

例えば「発注に関する確認」という項目を検討するとします。自社では数量の確認だけを担当するのか、納期の照会もするのか、発注の決定は別の人か。担当していない判断まで、全員ができるべき項目として残さないための読み合わせです。

大きすぎる項目は、実際に確かめられる仕事へ分けます。ただし、確認欄を増やすほどよいとは限りません。同じ仕事を何度も別の言葉で数えていないか、一つの項目に異なる職務を詰めていないかを見ます。

自社に固有の仕事を足すときは、項目名だけでなく、どんな作業や成果物で確認するかも考えます。「気が利く」といった印象を、そのまま能力の基準に置くと、本人が次に何を学べばよいか分かりにくくなります。

使う人の言葉で、試し読みする

案ができたら、教える人と教わる人に同じ項目を読んでもらいます。思い浮かべた仕事が違うなら、その場で表現を直します。点数をそろえることを急がず、何を対象にしているかを合わせる時間です。

項目には見直した日と担当を残します。仕事の進め方が変わったのに、古い作業をできる人だけが高く評価される状態を避けるためです。新しい基準を知らせる際は、変えた理由と、いつから何に使うかも説明します。

最初から全職種を一つの表へ入れず、用途に合う小さな範囲で試せます。使わない項目を削ることも、育成を具体的にする作業の一つです。