観察する人にも、目的を渡す

高齢・障害・求職者雇用支援機構の能力開発データベースは、主役、相手役に続いて観察者がコメントする進め方を紹介しています。感想の根拠となった具体的な言葉や動きを記録することも示しています。

職場で使う際は、学びたい場面を一つ選びます。例えば、依頼の内容を聞き直す練習です。売り込みから問題解決まで全てを演じるのでなく、今回観察するやり取りを絞って、参加者に同じ目的を伝えます。

観察メモは、聞こえたことから

この練習なら、どの言葉で聞き直したか、相手の説明を最後まで聞いたか、確かめた内容をどう返したかを記録できます。「自信がなさそう」と書くより、その感想につながった声や言葉を分けます。内心を外から確定する記録にはしません。

相手役にも、困っている内容や答えられる情報を簡単に渡します。演技を難しくするために、練習目的と無関係な要求を次々に足すと、何を試したのか分からなくなります。実在する顧客や社員の私的な事情を再現する必要もありません。

観察する項目は、用意した場面で実際に見えるものにします。短い練習で起きなかった行動は、欠けていたと評価せず、今回見られなかったと残せます。採点をするなら、目的と扱いを先に説明します。

感想を渡し、もう一度選ぶ

振り返りでは、演じた人がどう考えたかを話す時間を取り、その後に相手役と観察役の言葉を重ねます。同じ発言でも受け取り方が違ったなら、その違い自体が検討する材料になります。

次に試す点は一つに絞る方法があります。最初の問いを短くする、最後に確認した内容を言い直す、といった変更です。再度の練習で何が変わったかを比べますが、一度うまくできたことを、実務でも必ずできる保証にはしません。

終わるときは役から離れ、練習で扱った行動と本人の人柄を分けます。見ていた人にも、次に自分が試したい言い方を残してもらえば、観察が待ち時間だけで終わらずに済みます。